現在の市場価値は800億ドルと言われるほど、その利用価値が注目されているIoT。

インターネットとインターネット以外のものを繋ぐ「モノのインターネット」として、日常生活だけでなく、製造業や農業といった多くの企業でも導入されています。そんなIoTの高性能な機能と活用方法をご紹介していきます。

 

いま話題のIoTってなに?

「IoT」というフレーズは聞いたことあるけど、そもそもIoTとは何?という方もいるかもしれません。IoTとは、「Internet of Things」の略で、直訳すると「モノのインターネット」という意味です。

これまでは、PCやスマホ同士をネット経由でつなぐ事がほとんどでしたが、今後は、インターネットとPCやスマホ以外の「何か」をつなぐという考えかた、そう「IoT」が、急速に拡大していくことが予想されます。

例えば、テレビやエアコンのリモコン操作、スマートロック、最近話題のスマートスピーカーなど。これら全てにIoTの技術や考え方が使われています。その場で、目の前のものを操作するだけでなく、遠隔操作にも利用されます。

外出している時に電気を消し忘れた場合、遠隔操作で部屋の電気を消したりといった操作も、このIoTによって可能になりました。

このように日常生活で何気なく使っているものには、IoTが数多く関わっており、身近にある「何か=あらゆるもの」がネットに接続され、このIoT化で、生活を便利にしてくれるでしょう。

 

IoTの機能

IoTには、大きく分けて2つの機能があります。

先ほど例に出した、スマートスピーカーなどに使用されている、センサー機能。センサーでデータを取得し、必要なデータをまとめてくれます。そしてまとめたデータをAIで分析し、情報をデジタル化します。この機能はデータの見える化と呼ばれています。このように、情報を受け取りまとめる機能、まとめた情報を発信する機能、この2つの機能を搭載しています。

 

IoTは様々な企業にも導入され始めています

IoTの機能は日常生活だけではなく、幅広い分野で導入され始めています。その例をいくつかご紹介します。

・農業

高齢化や後継ぎ問題が課題となっている農業。IoTによってデータを収集することで、消費者のニーズや売上の傾向に合わせて栽培することができます。大規模な農園であれば、さらに輸送データと合わせて、輸送コストの削減に繋げられます。

気候を気にせず年中栽培できるビニールハウス栽培の場合、遠隔操作で温度調節をすることができ、人事コストの削減が期待できます。また、このインターネットを使った生産が若者の間でも注目を集め、農業に興味を持つ人が増えてきています。若者への関心が高まることで、人手不足の課題解決へと繋がることが期待されています。

・医療

医療ではスマートフォンを使った、遠隔医療が注目を集めています。この遠隔医療は、自宅にいながらスマートフォンを使って医師の診断を受けることができます。アメリカの18の州でサービスが提供されているほか、日本国内でも一部の地域でサービスの提供が開始されています。

好きな医師を選ぶことができたり、待合室で長時間待たされるといったストレスが無くなります。また、「スマート治療室」という機能も開発が進められています。この機能は、メスやMRIなど、複数の機器から同時に、リアルタイムで画面に写し出し、患者の状態を一画面で確認することができます。これにより、約25%を占める医療設備の設備ミスによる、医療ミスの減少が期待できます。

・自動車製造業

少しずつ一般の実用も始まっている自動運転。自動運転にもIoTのセンサー機能が使用され、AIと組み合わせて開発が進められています。

また、利用している人も多い「カーナビ」のGPS機能もIoTの機能です。先ほどから述べているように、IoTは近年多くの企業が導入していますが、いち早くIoTの機能を取り入れたのが自動車業と言われています。90年代には、IoTの機能を、自動車に取り入れはじめていました。

・製造業

最後にご紹介するのが製造業です。製造業は他の業種と比べて比較的導入が遅れていると言われていますが、最近急速に拡大しています。遠隔操作機能を活用して、夜間や休日の工場の無人化を実現しました。遠隔で機械を操作することで、生産数の向上、人事コストの削減が期待できます。

読み込んだデータを素早く収集してくれることで、ニーズに合わせた生産ができます。さらに、センサーによって機械の故障を検知し、瞬時に故障を知らせてくれるなど、作業効率の向上も図ることができます。

 

IoTを活用するための4つのステップ

IoTの導入には4つのステップを踏む必要があります。

まずは「モノのインターネット」の「モノ」にあたる部分。すなわち、インターネットに繋げる部分です。製造業であれば、工場の機械にあたります。これらを「デバイス」と言います。

次にデバイスに組み込む機器です。これはセンサーやセンサーから受け取った情報を選別し、表示するメーターなどを指します。これらをまとめて「モラージュ」といいます。

そして、受け取ったデータを表示する「アプリケーション」。アプリケーションは、集めた情報をまとめて表示する、データの見える化をする役割を果たすソフトのことです。

最後に「ネットワーク」です。これは「モノのインターネット」の「インターネット」にあたる部分です。NTTやドコモ、ソフトバンクといった企業が持っている回線施設や、Bluetoothなどの無線機能はこのネットワークになります。

これらの「デバイス」、「モラージュ」、「アプリケーション」、「ネットワーク」の4つが揃うことでIoTを活用することができます。

 

まとめ

日常生活の身近なものをはじめ、さまざまな業種で導入されているIoTの機能や、使用例、活用ステップについてご紹介してきました。コストが高いことやIoTを活用するための人材確保といった課題があり、まだまだ導入できない企業も多くあります。しかし、IoTは日々研究が進められ、コストの低下や機能の向上が進められています。これからもさらに機能性が高まり、市場を拡大していくことでしょう。