自動車やテレビ、時計など様々なモノをインターネットに繋げる「IoT」。現在IoT時代が到来している真っ最中であり、様々なビジネスへと参入を進めています。とくに製造業においてはIoTの存在が必要不可欠であり、導入せずに生き残るのは難しいといわれるほどです。しかし、これまでITと関りを持ってこなかった方にとって、IoT導入はハードルが高いといえます。そこで本記事では、IoTをお試しで利用できるトライアルサービスをご紹介します。
IoTとは
IoT(Internet of Things)とは、家電や家具など身の回りに存在する全ての“モノ”にインターネットを接続して、相互通信を行う仕組みです。別名「モノのインターネット」とも呼ばれており、近年大きな注目を集めています。
IoTはインターネットで繋がったモノからデータを収集して分析を行い、今まで可視化されていなかった情報を正確なデータとして表示。IoT活用による「見える化」を実行することで、業務の効率化や生産性の向上などが図れます。
今後のビジネスにおいては重要な役割を担うことが予想され、工場や製造業にもIoT時代の波が到来しています。IoT導入なしに製造業の未来は語れないといっても過言ではなく、IoTの活用が生存競争でライバル企業を出し抜く鍵になるでしょう。
製造業へのIoT導入例
経済産業省が発表している「中小ものづくり企業IoT等活用事例集」から、いくつか導入例をピックアップしてご紹介します。
■アーステンド株式会社(東京都品川区)
アーステンド株式会社では、作業現場で使用するマニュアルの閲覧・作成・更新作業に手間がかかる、適切なマニュアル作成作業が社内に浸透していかない、といった課題を抱えていました。そこで簡単マニュアル作成ツール「Teachme Biz」を導入。
タブレット端末で作業現場写真を撮影し、説明文を挿入するだけでマニュアルが作成できるようになったそうです。今までのように文章や絵などを紙に書き出す作業がなくなり、更新や画像の差し替えといった操作も簡単に。また、作業内で起こった失敗事例の収集ツールとしても活用し、新人が同じミスを起こさないよう注意喚起するアイテムとしても役立てているそうです。
■Apex 株式会社(東京都⼋王⼦市)
Apex 株式会社では、新事業としてリバースエンジニアリング・モデリングによるデータ制作や、データに基づいた試作サービスを提供しようと考えていました。しかし、開発に必要である機器やソフトウェア費用の確保が課題になっていたそうです。
そこで、ものづくり・商業・サービス新展開⽀援補助⾦を活用して、測定から試作まで一貫して行う「ダイレクト切削加⼯」サービスを構築。3次元測定データを用いており、従来の試作品に比べると精度が各段に向上しました。さらに、試作品の制作時間も大幅に削減でき、納品までのスケジュールが短縮されたそうです。
■株式会社東伸コーポレーション(神奈川県横浜市)
株式会社東伸コーポレーションでは、ミキサー車に積み込まれた生コンクリートの品質検査における生産性向上、および品質を正当に評価できる環境づくりを課題としていました。そこでミキサー⾞自体をIoT化して、ドラムに取り付けられたセンサーから品質データをリアルタイムでアップロードできるようにしたそうです。
今までは熟練作業者の勘と経験頼りだった品質検査が、IoTによって正確かつ簡単にデータ化できるように。生産性も高まり、適正な品質評価が実現しました。
IoT導入前にトライアルサービスを利用しよう
導入事例にもある通り、IoTをうまく活用することで生産性の向上や業務の効率化が図れます。しかし、いきなり導入するのではなく、まずはトライアルサービスを利用してみましょう。具体的にどういった効果が得られるのか、抱えている課題に対してどのようにアプローチできるのかを確認・検討することで、その後の導入がスムーズに進められます。
製造業向けトライアルサービス2選
■スタート支援パッケージ/FogHorn
アメリカのFogHorn社が提供する「FogHorn Lightning」は、産業業界でも注目を集めるシステム。産業システムが生み出す膨大なデータをリアルタイムで収集し、クレンジング作業を実行します。こちらは、そのIoT・エッジコンピューティングを簡単かつ無料で導入できるパッケージ製品です。
特徴としては、3ヶ月のトライアル期間からスタートできること、既存のオペレーションシステムに影響を与えることなく導入可能なこと、FogHornのソフトウェアがプリインストールされた状態で届くことなどが挙げられます。
パッケージ内容は、以下の通りです。
・FogHorn Lightning ソフトウェア(3ヶ月分)
・HPE EL20 1台
・マクニカネットワークスシステム構築サポート(ロジック【VEL】構築 ・可視化【VIZ】 など)
HPE社のハードウェアとマクニカネットワークスによる技術サポートがセットになっており、製造現場におけるデジタル革新を徹底サポート。製造現場の仕組みを変えずにデジタル化したい、データ活用への取り組み方が分からない、熟練作業者のノウハウを継承したいといった課題を抱えている場合に最適といえます。
■タブレット・コミュニケーター/株式会社タイテック
タブレット・コミュニケーターは、工場で働く従業員や機械などの検査記録をリアルタイムで収集し、コスト削減や生産性向上などに貢献するIoTソリューションです。収集したデータはすぐに集約・分析が行われ、結果はすべてダッシュボードに表示されます。低コストで見える化を実行できる上に、迅速かつ確実な工場革新サポートが可能です。
また、タブレット・コミュニケーターは製品ラインナップが豊富です。「作業記録管理ソリューション」では、作業手順ごとの時間や結果などを集めてリアルタイムで集計。一方「設備状況管理ソリューション」では、設備に関する情報を自動記録してデータ化します。各製造現場のニーズに合わせたソリューションの提供を行っているため、抱えている課題を効率よく解決できます。
タブレット・コミュニケーターは簡単なセットアップ作業が終われば、すぐに利用可能。さらに、画面のカスタマイズ機能を使えば仕様を自由に変更することもでき、利便性が高いです。タブレット・コミュニケーターは無料トライアルの実施ができますので、導入前にどのくらい効果を得られるのか試せます。
まとめ
製造業界で生き残っていくためには、やはりIoTの存在が欠かせません。導入に遅れを取れば、売上や生産性などライバル企業に差を付けられる可能性が高いです。とはいえ、「ITには疎い」「何から手を付けていいのか分からない」といったケースも珍しくありません。まずは、IoTトライアルサービスを利用するところから始めてみてはいかがでしょうか。