あなたの会社ではIT化を充分に進められていますか?

企業のIT化が重要なことはわかっているけれど、何から始めれば良いのか、ツールは何を導入すればいいのか、ITに詳しい適任者はいるのか、そもそもなぜIT化しなければいけないのか、など課題や疑問はたくさんあるかと思います。

本記事では、なぜ近年企業のIT化が叫ばれているのか、IT化を成功させるコツについて、企業事例とともにご紹介します。

そもそもIT化が必要な理由は?

IT化とは、企業の中で使用しているアナログなツールや情報をデジタルに変換することです。紙媒体で送っていた郵便物を電子書類に変換しメールで送るようにした、などがわかりやすい例でしょう。

IT化を進めることの一番のメリットは、作業の効率化が図れるということです。事務的な作業に費やしている時間を格段に短縮することができます。そうなると、他の作業に時間を割くことができ、企業の成長スピードの向上にも繋げることができます。

もう一つのメリットは、人件費の削減です。これは、大切な社員のクビを切ることをおすすめしているのではなく、事務的な作業に従事している人を創造的な業務にスライドできるということです。新たな人の採用に手間暇かける必要もなくなるので、とても大きな効力を発揮するといえます。

とはいえ、いざ導入するとなるとネット関連のことには抵抗があるという方もいらっしゃるかと思います。

そこで、スムーズにIT化を進めるコツをIT化に成功した企業の事例を見ながら学んでいきましょう。

 

IT化に成功した企業①ユナイテッド・アドバイサーズ株式会社

一つめは、国産のRPAソフトを導入し、月30時間の残業時間削減に成功した企業様の事例です。

RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、事務的な業務を代行・自動化する技術のことです。その技術を搭載したソフトウェアやロボットのことを「仮想知的労働者」とも言います。この企業様は、事務社員が行なっている給与計算や勤怠管理などの定型的な作業をなんとか効率化できないかと考え、RPAソフトを導入されました。

こちらの事例から学ぶIT化成功のコツは、「ツール導入は徐々に進める」ということです。始めから削減したい業務の全てをツールに移行するのではなく、置き換えやすい単純な業務から始めたということです。IT化の際、一度に多くのことを移管してしまうと、ツールの操作において覚えなければいけないことが大量にできてしまい、IT化はやはり難しかった、この環境での導入は向いていなかった、という印象に繋がってしまいます。

そこで、まずは些細な作業から投じていくことで、ツールの基本的な操作方法を理解できるようになります。また、ツールを扱う方々の心理的ハードルを下げることにも繋がり、次のステップにも進みやすくなるというわけです。

このサービスの導入によって、一年も満たないうちに効果を実感できたという感想を述べられています。社員の方々も本業であるコンサルティング業務や資格習得のための勉強、知識の補強に集中することができ、企業はサービスの向上というメリットも享受することができました。

▼リンク

https://www.it-hojo.jp/h29/doc/pdf/h29_businessconsultant_unitedadvisors.pdf

IT化に成功した企業②清水建材工業株式会社

次の事例は、販売管理システムを導入したことによって売り上げアップに繋げることができた企業様です。

この企業様は、業務担当者の交代や以前からの課題であった仕入原価の変動の把握、オリンピック需要の増加などがきっかけでシステムの導入を検討し始めたのだそう。取引先の方の助けを得て販売管理システムの導入を決断、発注から原価計算までの情報を一元的に管理できるようになったということです。

この事例から学ぶIT化成功のコツは、「現状の業務フローで改善できる点がないか確認すること」です。多くの中小企業では現状のスタイルで慣れているから、という理由でIT化に着手できていない、あるいは遅れをとっているという状況が多く見られます。ですが、企業の今後の発展を最優先に考えれば、業務の効率化や過度に属人的な要素を排除していくことが重要なのはいうまでもないでしょう。

実際にシステムを導入したことで、取引先によって異なる取引フローを一元化し、情報の集計や分析にも役立てられるようになったとのことです。また、そのことによって経営の全体像の把握や、原価推移の予測が立てられるようになり、売り上げも大幅に向上させることができました。次は粗利の向上に向けて邁進しているそうです。

▼リンク

https://www.it-hojo.jp/h29/doc/pdf/h29_retail_shimizukenzai.pdf

企業のIT化は〇〇がカギ!

IT化するに至って、必ず出てくる意見が「今のやり方に慣れているから必要ない」ということでしょう。新たなツールを導入して新しいことを覚えるのは、確かに長年勤めている社員さんからすればかなり大きなハードルになるかもしれません。実際、中小企業におけるIT化はハードルが高く、苦戦していらっしゃる企業様も多く存在するのも事実です。

ですが、企業の将来を考えれば、ルーティン化している作業をIT化によって少しでも効率化することはもはや不可欠といえるでしょう。加えて、過度に個々人に依存している情報やスキルも透明化、共有することも必要です。

そのためには、事例でお伝えした通り、①ツール導入は簡単な業務から進める、②現状の業務フローを振り返り改善できそうな点を洗い出す、ということが重要です。企業の成長のため、これまでの慣れに甘んじず厳しくチェックしていくことが欠かせない視点となります。導入ハードルは決して低くありませんが、現状のやり方にメスを入れることで、営業利益や社員の働きやすさ向上が見込めるでしょう。

業務改善システムやRPAツールの中には、提供元の業者によるサポートが手厚いところもあります。導入や導入後の運用だけでなく、現状の課題点の確認などから入ってくれる企業もあるため、ぜひ一度探してみてください。