IoT(Internet of Things)は、最近メディアでも取り上げられるようになってきて今の世代を表す言葉となりました。モノのインターネットという意味ですが、これは具体的に言えばパソコンやスマホ、タブレット、スマートスピーカーなどを指します。インターネットに繋げるデバイスは今やパソコンだけでなく、家電などにも広がりました。これらのことをIoTと言います。今回はこのIoTの3層構造について説明していきます。

 

IoTは3層構造になっている 

インターネットに繋がるレンジや冷蔵庫、テレビ、おもちゃなどなど、一般家庭にも普及し初めてそれが珍しくなくなっている現代でも、IoTのシステムを知っている人は少ないです。インターネットに接続できて便利だなあ、くらいに思っている人も多いのではないでしょうか。実は、IoTは3層構造になっていて、それぞれが重要な役目を果たしています。それぞれがどんな働きをしているのかを見ていきましょう。

 

・センサー層

 

まずは「センサー層」について見ていきましょう。これはデバイス層とも呼ばれ、こちらの方がイメージしやすいかもしれません。データを収集してネットワークに送り出す役割を果たすのがこの層です。3層を図解すればこれは最下層になります。センサーでのデータ取得と、上位層から来た命令の実行を行っています。また、モノそのものから得た情報や、その周囲の情報、そしてこのデバイスに接続された外部機器からのデータをネットワークに送り出す役割も担っています。

 

・エッジ・コンピューティング層

 

「エッジ・コンピューティング層」は中間層にあたり、センサー層から送られてきたデータを受け取る場所です。必要なデータを迅速に処理してフィードバックをしたり、後に説明する最上位層であるクラウドにデータを送る役割も果たしています。人間で言えば部下の世話を焼いたり上司への報告をする中間管理職的な存在です。

 

・クラウド・コンピューティング層

 

最上位層にあたる「クラウド・コンピューティング層」は、センサー層やエッジコンピューティング層から送られてきたデータを受け取る層です。ここでデータ分析が行われ、情報管理者へフィードバックされたりアプリケーションで利用できるようにします。

 

これがIoTの3層構造の仕組みです。

 

2層構造と3層構造の違いは?

 

IoTは3層構造で成り立っていると解説しましたが、実は2層構造のものもあります。これは下層のセンサー層と上位層のクラウド・コンピューティング層しかないバージョンです。2層で事足りるのであれば何故3層構造のものがあるのでしょうか。中間層であるエッジ・コンピューティング層は果たして必要なのか見ていきましょう。

 

・2層構造で発生するデメリット

 

①通信料の増大

 

2層構造では、モノの数があまりにも膨大になりすぎることによって様々な問題が起こってしまいます。まず一般家庭でも一番困るという声が大きいのが「通信料の増大」です。回線を確保するために使用量が高くなってしまうため、中間層がないと費用に影響が出てきてしまいます。同じIoTという名前でも、できれば3層構造になっているものを選んだ方がお財布にも優しいでしょう。

 

②ネットワークの遅延

 

また、使い勝手が悪くなることも多々あります。中間層が処理をしてくれないことによって膨大なデータが渋滞を起こし、「ネットワーク遅延」が大きくなってしまいます。これでは快適にIoTを使えないのでイライラしてしまいますね。

 

ちなみに、家庭で使うIoTでのネットワーク遅延はイライラ程度で済むかもしれませんが、医療現場や自動運転、製造現場で使われるIoTではその被害が甚大になる恐れがあります。情報全てをインターネットを介してクラウドに送ると、フィードバックが得られるまでに負荷がかかり遅延を起こします。それがすぐに知りたい情報であったり、周囲の変化に伴って変わる情報であれば致命的です。医療では命にさえ影響を及ぼすことがあるかもしれません。私たちが近い将来使うかもしれない自動車運転だと、フィードバックが遅れてしまったら運転中に情報のタイミングのズレが生じ、事故を起こす原因になりかねません。

 

これらのような理由から、2層構造のIoTは現在3層構造へと移行しつつあります。やはり、中間層であるエッジ・コンピューティング層がなければスムーズな利用には繋がらないのです。

 

しばらくは人とAIが共存していく社会になる

 

IoTは、将来的にほとんどの場合自動化を目指していて、人工知能(AI)による処理を含んでいます。しかし、現段階ではまだ全自動という技術まで行きついていません。しばらくはまだ人間の判断が必要になり、それを補助する形でAIが活躍していくことになります。そのわかりやすい例が自動運転です。今現在は両手両足を自由にして運転できる車はありませんが、事故を防ぐために前方に障害物があれば自動でブレーキを踏んでくれる機能はありますよね。いきなり全自動運転になるとは考えにくいですが、AIができることが少しずつ増えていき、最終的には全自動がゴールとなります。このように、IoTとAIは密接な関係にあるのです。

 

これから考えていくべきは、人間の判断とAIの判断、どちらをどれくらい優先するのかでしょう。今の技術力では、ある事柄一つに対して「人間の知能」を上回るタイプ、例えば囲碁やチェスの対戦用AIは出てきても、「人間の判断力」を上回るAIはまだ発展途上です。その間は、AIになりきれないIoTを人間が便利に使う時代が続くでしょう。

 

まとめ

 

生活が便利になるIoT、その最終的ゴールにはAIでの運用がありました。現在は2層構造のIoTも多いですが、3層構造のものが出てくればより生活は便利になるでしょう。この情報社会で中間層であるエッジ・コンピューティング層がないのは厳しくなってきます。まずはこの3層構造への移行段階を踏み、そして人工知能の社会へ入っていくことになります。身近なところで言えば、2層構造のIoTは費用がかかり遅延があるので、3層構造のものを購入するようにすることをおすすめします。