製造業でも、その他一般的な仕事をする上でも記録を取ることは非常に重要です。生産の記録、作業手順のマニュアル化、作業スタート/ストップの記録、会議の内容、経営者なら売上管理など、その記録内容はさまざまです。

しかし、上手く記録することやまとめることは意外と難しいもの。そこで今回は、製造業を中心にITを活用して手間をかけない記録の方法をご紹介します。

記録を取る重要性

まず「製造業からみて」の前に、なぜ記録を取ることが仕事をする上で重要なのかを説明します。それぞれの立場や目的によって異なりますが、共通する点として、「重要なことを忘れない」ということが挙げられます。

どんなに優秀な方でも、覚えたことをすべて記憶しておくのは難しいでしょう。記録を取ることで、今しなくてはならないことや優先的にした方が良いことなどを目視して確認し、効率よく仕事を進めることができます。また記録しておくことで、しばらく時間を置いてその記録を確認した際、新たなアイデアを生む可能性もあります。

このように記録を取ることは、仕事を円滑に進め、新たなアイデアを生むこともできる大切な作業なのです。

作業や仕事の効率を上げるなら、行動記録を取る

なかなか作業のスピードが上がらない。製造効率や作業効率が悪い。そんな人は、その日、作業開始前に作業プラン作ってみましょう。作業プラン(行動記録)とは、その日に自分がやるべきことを一覧にしてまとめることです。

やり方はまず、その日にやるべきタスクをリストアップ。次に、そのタスクに優先順位を付けて、それぞれに作業時間の開始と終了予定を付けておきます。そしてひとつの作業工程が終わるごとに完了した作業をチェックし消していく、というのが作業プラン+作業記録を付けるという一連の流れです。

作業プランのリストに沿って業務を進めることで、現在行っている業務に集中でき、作業スピードの向上が期待できます。さらに、やるべきことを事前にリストアップすることで、その日の流れを把握でき、ひとつひとつの作業がスムーズに進めやすくなります。

作業や仕事の効率化には集中力が不可欠。作業プランを事前につくり、作業時の集中力を上げることで効率の向上が期待できます。

作業記録から行動の無駄を無くす

さらにもう一つ、別の作業記録の付け方をご紹介します。それは、自分の1日の行動を記録する行動記録です。前項の作業プランを作る事との違いは、業務開始前に行うものか、業務終了後に行うものか、という点。前項では作業の優先順位を定めて集中するということが目的でしたが、こちらの行動記録は1日を振り返って無駄を認識するというものです。

自分が1日に行った業務を「時間を含めて」記録し、そこから省略できることを見つけていきます。これにより、無駄を省いて仕事の効率を上げることが期待できます。自分の1日の仕事の流れを記録し目視して振り返ることで、自分でも気付かなかった無駄な行動に気付くことになるでしょう。

記録した自分の行動から、「これは要らないんじゃないか」「これは先にした方がいいな」といった気づきが得られます。その中で良いことは継続し、無駄であったことは省く。そしてまた、その行動を記録して振り返る。自分で自分の業務を引き継いでいくことで、仕事効率を向上させましょう。

ITとは何か

ここまで2パターンの行動記録から、仕事の効率化をご紹介してきました。本項ではITを使った手間をかけずに記録する方法をご紹介します。

ITでの作業効率化を紹介する前に、そもそもITとは何か確認しておきましょう。

「IT」とは、「Information Technology」の略で、直訳すると「情報技術」という意味です。ITは、ハードウェア、ソフトウェア、通信技術から構成されます。ハードウェアとは、コンピューターやスマートフォン等の物理的なもののことをいいます。

ソフトウェアは、アプリやAIなどコンピューター内部のプログラムのこと。通信技術は、インターネットやWi-Fiの通信のことです。この3つの要素を活用して、今まで紙などでまとめていた情報をパソコンなどに移し、デジタル化することをIT化といいます。

ITは現在、ドッグイヤーと言われています。ドッグイヤーとは、犬は人間の約7倍のスピードで成長しています。これと同様に、ITも急速に発展している、という意味があります。ITは世界中で急速に広がりを見せ、日本でもさらに需要が高まっています。

仕事効率を向上する以外にも多くの恩恵が得られるのがITなのです。

製造業でIT化するメリット

今まで紙でまとめていた情報をIT化するメリットは、業務の効率化と新たな作業スペースの確保、情報の共有のしやすさなどがあります。

業務の効率化は、インターネットを利用して情報をまとめておくことで、膨大な情報の中からその時に必要な情報を簡単に検索し、見つけることができます。このため、資料探しの時間や情報整理の時間の短縮につながります。

次に、作業スペースの確保です。今まで本や辞書などで記録していた膨大な情報をデータとしてまとめることで、本や辞書、資料などを置いていたスペースが空きます。空いたスペース分で別の業務をしたり、オフィスを縮小化して賃料や光熱費などのランニングコスト削減に役立ちます。

インターネットさえ繋がっていれば、いつでもどこでも、様々な端末から情報を共有することが可能です。これにより、万が一のトラブルの際にも、現場に行かずに状況判断し、指示を出せたり、トラブルの原因を早く発見できるでしょう。

ITで手間をかけずに記録する

コンピューターやスマートフォンには、さまざまなアプリケーションがあります。目的に応じたアプリケーションを使用して、記録を取ると効率化に繋がります。日本のビジネスシーンで一番身近なアプリケーションはExcelでしょう。

会社の売り上げや経費などのお金面のデータや社員情報などを一括管理したり、社外取引などの際にも使用していることでしょう。データファイルをメールやチャット等で送れば簡単に共有できます。

まとめ

記録を取る重要性や業務でITを活用するメリットなどについてご紹介しました。仕事をする上で、記録するということは重要なことです。一方で、記録したデータを上手く活用できなくては意味がありません。ITを活用して、記録を簡単に分かりやすくまとめ、すぐにでも使用できる環境を整えておきましょう。

今後、どのような便利な機能が登場し、私たちの仕事の効率化に貢献してくれるのか目が離せません。