近年、環境への配慮や経費削減といった理由から、紙文書の電子化・ペーパーレス化(IT化)が注目されています。スキャナなどを使って紙文書をスキャンし、電子データとして保存することで、紙の保管スペースが大幅に削減できます。クラウドサービス連携機能の付いたスキャナを使えば、簡単にデータをクラウド上で保管し、いつでもどこでも参照可能となります。

スキャナでペーパーレス化(IT化)することのメリット

紙文書をスキャンしてデータ化することのメリットは、大きく分けて3つあります。

①原本が破棄できる

仕事をするうえで、契約書や請求書、指示書、名刺など紙データの存在がなくなるということは難しいでしょう。破棄しても良いのか判断に悩む書類も多く、どうしても書類は蓄積されがちです。そこでスキャンしてデータ化してしまえば紙文書は処分可能となり、紙の保管スペースを削減できます。オフィスの省スペース化や、棚や倉庫などの有効活用が実現します。

②情報共有が容易になる

クラウド上にデータを保管することで、いつでもどこからでも閲覧できるようになります。大人数での共有も即時的に可能なので、社内での情報共有だけでなく、パートナー企業との共有もスムーズになります。またどこからでも閲覧・参照可能だということは、テレワークやモバイルワークの実現にもつながります。

③データ管理しやすくなる

ペーパーレス化することで、データの管理および検索にかかる手間が省けます。スキャンするだけで簡単にデータの保存ができますし、検索をかければすぐに欲しい情報が手に入ります。またバックアップ性にも優れているので、紙のままにしておくよりもデータ管理がしやすくなります。

クラウドサービス連携機能付スキャナとは

「紙文書のペーパーレス化」というと難しく感じるかもしれませんが、スキャナを使えば実はデータは簡単に電子化することができます。さらにそれをどこに保存するかですが、パソコンに保存するだけでは、ペーパーレス化のメリットを最大限に発揮することはできません。クラウドサービスを利用することで、活用の幅を広げられると考えて良いでしょう。

そこでさらに便利に、簡単に紙文書の電子化をするツールとして、「クラウドサービス連携機能付スキャナ」があります。スキャンしたデータを、各種クラウドサービスに直接アップロードできるというものです。データをスキャンしてクラウドにアップする、この一連の作業がほぼ自動で行なわれるというわけです。

クラウド上にあらゆるデータを保存しておけば、さまざまな情報を一元化することが容易に実現します。そして書類内の情報を、いつでもどこからでもすぐに取り出せるので、仕事の効率・精度が向上することとなります。元々完成した書類をスキャンしてアップロードしているので、基本的に紙文書はクラウド上に保管するだけ、この作業で関連情報をすぐに参照できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

導入事例【ScanSnapとEvernote】

たくさんの紙文書をスキャンしてデータ化する際に重要なのがストレージです。パソコンや外付けハードディスクに保存する場合は、保存可能な容量は有限となります。そのため、容量を気にすることなく使えるクラウドサービスを活用するのがベターでしょう。クラウド上に保管することで、時間や場所を選ばず情報を参照できます。

具体的にどう利用すれば良いのか、クラウドサービス連携機能付スキャナ「ScanSnap」とクラウドサービス「Evernote」の連携について紹介します。

ScanSnap本体はWi-Fi接続が可能なので、場所を選ばず使用可能です。一方Evernoteは、「全てを記憶する」を売りにしている情報管理クラウドサービスで、あらゆる情報を集約できます。さまざまな紙文書のデータを持ち歩いたり共有したりするためにScanSnapを利用し、その保管場所としてEvernoteを利用する、そうすることでオフィスの省スペース化だけでなく、仕事の仕方に自由度が生まれます。

ちなみにScanSnapは、Evernote以外にも、写真保存サービス「Google Photos」・クラウドストレージサービス「Google Drive」・ファイル同期サービス「Dropbox」・名刺管理クラウドサービス「Eight」・経費管理アプリ「STREAMED」などとも連携可能です。

クラウドサービス連携機能付スキャナによる電子化の活用シーン

働き方改革

ScanSnapとEvernoteの連携などにより紙文書をすべて電子化し、クラウドへ保管すれば、必要な資料を社外から閲覧できるようになり、テレワークやモバイルワークの実現もスムーズになります。またデータの検索効率が向上することで業務効率化にもつながります。

顧客やパートナー企業との情報共有

営業資料などを手軽に電子化することで、営業担当者が外出先から安全に資料を参照できてそれをもとに商談できるため、販売促進に効果があるとも考えられます。またパートナー企業などとの資料共有も容易になるので、生産性の向上も期待できます。

経費精算

経費精算についてもペーパーレス化を図ることで、紙ベースでの回収を簡略化できます。紙ベースでは、申請内容に不備がある場合に精算書の再提出といった手間がありますが、システム上なら即修正可能になるなど、経費精算業務をよりスムーズに進められます。会計システムとの連携をしておけば、経費精算の手間を省力化でき、精度も上がります

製造現場でのペーパーレス化

ペーパーレス化は製造現場でも有効で、例えば版数管理の手間が削減されたり必要な図面を探す手間がなくなったりなど、業務効率化を実現できます。版を変える際に各部署用に再配布する必要がなくなり、部署ごとに版数の違う図面を保持しているなどといったミスを防げます。また図面や各種資料の保管スペースを削減することにもつながります。

まとめ

個人レベルでも会社レベルでも、業務効率化をするには紙文書のペーパーレス化は有効です。ペーパーレス化や電子化といっても実はごく簡単な作業で、特にクラウドサービス連携機能付スキャナを活用することで、データの保管や管理、バックアップまでほぼ自動で利用可能となります。紙の保管スペースを削減することになり、経費削減、環境保護にもつながっていきます。