あなたの会社ではIoTを導入していますか?

世間でも一定の認知があるIoTですが、生活家電など日常生活のみで使用するとお考えの方も多いと思います。ただ、私たちの知らない間に企業でも導入されているのです。

IoTを企業で導入すると、これまでの業務を効率化できるとともに、特定の人でなければ管理できないといった属人的な作業も少なくできます。実際にIoT化に踏み切ったことで、それまでの業務の改善や業績を大幅に向上させた企業がたくさんあります。

本記事では、IoTが何かわからないという方にIoTの魅力を紹介します。また、IoT化に成功した企業様をご紹介し、IoT化を成功させるコツについても解説します。IoT導入の参考にしてみてくださいね。

そもそもIoT化が必要な理由は?

IoT(アイオーティー)とは、Internet of Thingsの略で「モノのインターネット」という意味があります。従来コンピューター同士を接続するものであったインターネットが、インターネットに繋がらないようなの「モノ」にでも接続できる技術のことで、IT化の加速によって広がりをみせています。具体的には、スマホのボタン一つで開閉できるスマートロックや、窓の戸締りを遠隔で確認できるシステムなどが挙げられます。

IoT化によって便利になるのは私たちの日常だけではありません。企業がさまざまな業務にIoTを取り入れることによって、業務効率化を図ることが可能です。まだまだ採用している企業は少ないですが、導入し成功した企業も多くあります。

下記では、どのような企業が、どのような方法でIoTを導入し、どのような変化を見せたのかを紹介します。

IoT化に成功した企業①岡谷熱処理工業株式会社

一つ目の事例は、熱処理炉にIoTを導入することによって夜間の稼働確認の手間を削減した岡谷熱処理工業株式会社です。

システム導入以前は、トラブルがあると停止してしまう熱処理炉を担当者が夜間巡回をすることによってチェックしていたそうです。製品の劣化や納期の遅延に繋がるため、属人的な対応は免れなかったとのこと。

そうした課題をうけ、熱処理炉メーカーと連携し、炉の稼働状況を細部にわたってスマホでリアルタイムに確認できる機能を搭載。異常が発生した際には瞬時に稼働をストップさせるようなシステムを施しました。その結果、いつでも稼働状況が確認できるため、管理者の身体的・精神的ストレスを軽減することができたとのことです。また、IoT化によって稼働のデータを蓄積することができるため、熱処理プロセスのノウハウ化、応用に活用できるというメリットも生まれました。

▼リンク

https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000279.pdf

IoT化に成功した企業②株式会社東伸コーポレーション

二つ目の事例は、生コンクリートの品質を保つため、ミキサー車をIoT化した株式会社東伸コーポレーションです。

生コンクリートに関して高度な製造技術が要求される一方で、生コンクリートの品質管理は長年変わらぬ方法で施されてきました。それに加えて、品質管理には経験豊富な管理者が目視管理することが不可欠だったようです。そのため、大きなミキサー車に積み込まれたコンクリートを管理することも一苦労でした。

そこで出会ったのが、品質計測装置の開発をしているベンチャー企業でした。その企業の技術を用い、ミキサー車の内部にセンサーを取り付けることに成功。このセンサーから測定したデータをクラウド上で一括管理、リアルタイムで複数のコンテナ内にある生コンクリートの状態を確認できるようになりました。

ミキサー車のIoT化を通して、株式会社東伸コーポレーションは生コンクリートの品質管理の生産性を高めることに成功。また、センサーによって集計・蓄積されたデータを使って、生コンクリートの品質をさらに向上させることが可能となりました。結果、適正な品質評価がなされる業界整備にも繋がっているそうです。一つの企業だけでなく、業界全体の改革を促進させる良いエネルギーとなっているという観点からしても、IoT化の成功事例といえるでしょう。

▼リンク

https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000279.pdf

よくあるIoT化の失敗事例

上記ではIoT化の成功事例をご紹介してきましたが、ここでIoT化の失敗例でよくみられるケースをご紹介します。

もっとも多いケースは「見切り発車」をしてしまうことです。上司に「とにかく何かやれ!」といわれ、IoTを導入してみたものの何をして良いかわからない…といったパターンが非常に多いのです。

また導入がうまくいっても、IoTという最新のツールに魅せられ現実的な計画を持たずに導入を進めてしまうケースもあります。その結果、運用方法がわからないといった問題やもともと想定していたよりも効果がなかった、という例も見られます。

実際に、IoT化に踏み切ったものの途中で計画が頓挫、あるいは導入自体は成功したものの思うような効果が得られず廃止、といった事例も少なくないようです。

では、IoT化で失敗しないためにはどのような点に気をつければ良いのでしょうか。数々の失敗事例を省みた時に浮き上がってくる重要なことは、①IoTは「目的」ではなく「手段」であるということを理解する、②短期間での導入効果を求めすぎない、③価格と性能のバランスを把握する、の3点です。計画の打ち切りやIoT化の失敗という事態を避けるため、導入前の計画は慎重かつ冷静に行いましょう。

企業のIoT化は〇〇がカギ!

具体的な成功事例とよくある失敗例をご紹介してきましたが、IoT化はメリットが多い一方で導入を間違えれば大きな損失になります。

IoT化の導入で大切なのは実現性のある計画を立て、費用対効果の見込めるシステムなのかを吟味するということです。どの業務をIoT化したいのか、どれだけの効果を期待しているのかなど、導入前の計画がIoT化の成功を左右します。

現在、IoTに関しては数多くのベンチャー企業がシステム開発に取り組んでいます。一度、業務改善したい分野に携わっている企業に問い合わせをしてみるのも良いかもしれません。御社の業務改善の参考にしてください。